こんな悩みに答えます。
2017年の「働き方改革実行計画」により、1つの会社で働く以外にも、複数の収入源を持つ副業や兼業で働いていくスタイルが知られるようになりました。
その中の1つとしてダブルワーク(Wワーク)と呼ばれる働き方があります。実際に聞いたことがあるものの、具体的な意味や副業や兼業との違いについて理解している方は多くありません。
そこで本記事では、ダブルワーク(Wワーク)の意味やメリット・デメリット、実際に働く際の注意点について解説してゆきます。
この記事を読むことで、実際にダブルワークする時に不安なく働くことができますよ。
ダブルワーク(Wワーク)とは、2つの仕事を掛け持ちする働き方です。
具体的な例としては「昼はカフェで働き、夜はコンビニで働く」「平日は飲食店でバイトし、休日はイベントのスタッフをする」などがダブルワークに該当します。
なお、似たような意味として「副業」と「兼業」があり、いずれも似たようなニュアンスで使われることが多いため混同しやすいです。
まずはダブルワークと副業・兼業との違いについて解説していきます。
Wワークと副業の違いは「本業の仕事があるかどうか」です。
例えば正社員で働いている方が休日に別の仕事を行う場合、それは厳密にはダブルワークとは言わず「副業」と呼びます。なぜなら本業の傍ら、別の仕事を副次的に行っているからです。
ややこしいですが、2つの仕事を同程度の割合で行っている場合、その働き方をダブルワークと呼ぶことが多いです。
Wワークと兼業の違いは「2つ以上の仕事を掛け持ちしているかどうか」です。
つまり意味合い的にはWワークと変わりません。掛け持ちしている仕事が2つならダブルワーク、2つ以上あるなら兼業という扱いになります。複業と呼ばれる場合もあるでしょう。
以上Wワークと副業・兼業の違いについて解説しましたが、実際はどの言葉も同じ意味で使われる場合があります。それは言葉としてまだ明確に浸透していないからです。
ダブルワーク(Wワーク)の意味について解説しましたが、ダブルワークで働くことにはいくつかのメリットがあります。
次にダブルワークのメリットについて5つ解説していきます。
1点目は「収入増加が見込める」という点です。
当然と言えば当然ですが、ダブルワークは現状行っている仕事に対して、さらに同程度の工数をかけてもう1つ仕事をする訳ですから、収入増加が見込めるのが最大のメリットと言えます。
また単純に仕事を2つにするだけでなく、働く時間や時給・勤務場所までの距離を都度見直して、良い条件の仕事を選んでいくことができます。
2点目は「様々な仕事に触れ、視野が広がる」という点です。
ダブルワークは複数の仕事をこなしていくので、当然任せられる業務内容・マニュアルも異なり、その分多くの気づきを得ることができます。
例えば、異なる職種の仕事をすると「このやり方が当たり前」と思っていたことに対して「さらに効率的なやり方がある」と気づかされ、1つの会社で働いていただけでは気づけない気づきを得られることもあります。
3点目は「働く場所や時間に縛られない」という点です。
ダブルワークは仕事を2つ選んで働くので、1つの仕事で働く人よりも、ある程度働く場所を自由に選択し、ストレスなく働いていくことができます。
また時間に対しても自分で自由に調整していくことができますので、スケジュール管理の自由度も高いです。
4点目は「人脈が広がりやすい」という点です。
ダブルワークは働く場所が2つあるので、多くの方と交友関係を築くことができます。新しいアルバイトを紹介してもらったり、フリーランスの場合は仕事に繋がる場合もあるでしょう。
5点目は「新しい仕事に挑戦しやすい」という点です。
例えば何か挑戦したい仕事があった場合、正社員や契約社員だと使える時間が少なく、中々挑戦したいと感じる仕事に挑戦することができません。
しかしダブルワークだと挑戦したいことに対して時間を空けやすく、新しいことを始めるハードルが低い点がメリットと言えます。
メリットについて述べたので、次にダブルワーク(Wワーク)のデメリットを3つ解説します。
1点目は「自分でスケジュールを管理する必要がある」という点です。
ダブルワークは通常の働き方と異なり複数の仕事があるので、自身でスケジュールを決めて、効率的に稼げるように管理していく必要があります。
2点目は「休む日が少なく体調を崩す可能性がある」という点です。
ダブルワークはスケジュールを自分である程度調整して働いていく必要があるので、休む日を少なくして体調を崩してしまう可能性があります。
3点目は「税金・労働時間・保険について理解する必要がある」という点です。
通常のアルバイトの場合も同じことが言えますが、税金や保険についてはある程度理解しておく必要があります。ただダブルワークの場合少しややこしくなる場合があり、その点がデメリットと言えるでしょう。
ダブルワーク(Wワーク)のメリット・デメリットについて解説しました。メリットが豊富ですが、時間や体調の管理などが課題となっています。
そこで、次にダブルワーク(Wワーク)を継続的に続けていくための3つのコツについて解説してゆきます。
まずはダブルワークを行うにあたり、明確な目標を決めるようにしましょう。
数値目標を決めたら、実際に立てた目標に対してスケジュールを立てていきます。
スケジュールを立てることができたら、空き時間は仕事を増やすことはせず、リフレッシュや体調管理に勤めましょう。
デメリットの部分で挙げた通り、無理して働き続けると体調を崩してしまう可能性があります。
以上ダブルワークを続けるためのコツを是非実践してみて下さいね。
ダブルワーク(Wワーク)を続けるコツについて解説しましたが、実際ダブルワークを行う際はいくつかの注意点を理解して働く必要があります。
そこで次にダブルワークをする時の注意点について5つ解説します。税金・労働時間・社会保険について解説していますので、ダブルワークを検討している方は必ず理解しておきましょう。
まず企業の就業規則は必ず確認しておきましょう。
次にダブルワークをする際は合計労働時間に注意しましょう。労働基準法第38条1項では、労働時間において下記のように定められています。
労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
つまり複数の会社で働く場合、1日8時間・週40時間以上働いた時、別の会社であっても時間外労働扱いになり、残業代が発生するということです。
なお、労働契約を交わしていないフリーランス(個人事業主)は、労働時間について注意することはありません。
次に年間で103万円を超える場合、所得税を納める必要があるので注意しましょう。
特に扶養に入っている場合、103万円を超えると扶養者控除の適用外になるので、納税者が支払う税金が多くなってしまいます。
また一定の条件で社会保険に加入する必要があるので注意しましょう。具体的な条件は下記の通りです。
▼社会保険に加入する必要がある条件
ただし上記の条件は、複数の勤務先の数字を合算するものではなく、勤めている1つの企業で条件が満たされた場合該当します。
次に一定の条件で確定申告しなければならないので注意しましょう。
▼確定申告する必要がある条件
基本的に2つ以上の企業に勤めていても、年末調整できるのは1社のみと決まっています。そのため、年末調整していない分の確定申告を自分で行う必要があります。
最後にダブルワーク(Wワーク)に関連する「よくある質問」について回答します。
厳密には正社員の副収入は「副業」という扱いになりますが、結論を言うと、副収入があると次の年の住民税が増えるので、その影響で年末調整でズレが生じ、ばれる場合があります。
ダブルワークで稼いで良い金額に上限はありませんが、年間で103万円を超えると所得税がかかり、106万円を超えると社会保険の加入(一定の条件有り)が必要です。
ダブルワーク(Wワーク)に関連する記事は以上です。
ダブルワークは複数の仕事を行うことができて、収入増加が見込めるだけでなく、複数の仕事に関わることで視野を広げ、自由度の高い働き方ができるのが魅力です。
一方で自身で気をつけて管理する項目もいくつかありますので、特に税金・労働時間・保険についてはしっかり理解しておきましょう。