こんな悩みに答えます。
生活している中で時間に余裕ができ、働くことを検討しているものの「派遣・パート・バイトの違いについて厳密に理解できていない」と感じている方は多いのではないでしょうか?
本記事では、派遣とパート・アルバイトの違いから、それぞれのメリット・デメリット・注意点について解説していきます。
扶養の面についても触れるので、この記事を読むことで、あなたに向いている働き方を知ることができますよ。
「派遣社員」「パート」「アルバイト」という言葉について聞いたことはあるものの、それぞれの意味の違いについて明確に理解していない方もいるでしょう。
特に「パート」と「アルバイト」の違いについて分かっていない方は多いので、まずはそれぞれの意味の違いについて解説していきます。
派遣社員とは、派遣会社と労働契約を結び、別の企業に派遣される形で働く就業形態のことです。
派遣社員で働く時、労働契約を結んだ派遣会社のことを「派遣元」、実際に出社して働く会社のことを「派遣先」と呼びます。
パートとは「Part time」の略称で、正社員などのフルタイムで働く就業形態に対して、それよりも短く働く就業形態のことを指します。
実は後に解説するアルバイトと法律的な違いはありません。歴史的な背景から、子育てしている主婦が働く場合にパートと呼ばれることが多いです。
アルバイトとパートに明確な法の違いはないものの、パートには下記のような意味合い・ニュアンスがあります。
▼パートの意味
アルバイトとは「Arbeit」というドイツ語から生まれた言葉です。
Arbeitの意味は労働ですが、日本においてはパートと同じく「正社員の労働時間よりも勤務時間が短い労働者」とされています。パートは主婦(夫)が働く場合に使われることが多いと解説しましたが、アルバイトの意味・ニュアンスは下記の通りです。
▼アルバイトの意味
派遣とパート・アルバイトの意味の違いについて解説しましたが、大きな項目で分けると「契約会社」「働く時間」「仕事内容」「賃金」「福利厚生」などの違いがあります。
次にそれぞれの項目について、大きくどのような違いがあるのかについて解説していきます。
1点目は「契約会社」の違いです。パートやアルバイトは勤務先と労働契約を交わすのに対し、派遣社員は実際に働く勤務先ではなく、派遣会社と労働契約が結ばれます。
▼契約会社の違い
項目 | 詳細 |
派遣社員 | 派遣会社と契約 |
パート・アルバイト | 勤務先と契約 |
2点目は「契約期間」の違いです。パートやアルバイトに契約期間の制限はありませんが、派遣社員の場合は有期契約になります。
▼契約期間の違い
項目 | 契約期間 |
派遣社員 | 3年間(例外あり) |
パート・アルバイト | 制限なし |
基本的なルールとしては「派遣社員で働く場合、同一部署には最大で3年間しか働くことができない」とされています。
そのため、もし同一部署で3年間以上働く場合は「契約社員として雇う」「正社員として雇う」など、新しく雇用契約が必要です。
3点目は「勤務時間」の違いです。派遣・パート・アルバイトの勤務時間の上限は8時間と同じですが、パートやアルバイトの方が勤務時間が短い傾向にあります。
一般的に勤務時間は「派遣社員>アルバイト>パート」となっている場合が多いです。
そのため、子持ちの主婦が「子供を迎えに行きたい」「熱が出た子供を病院に連れていきたい」と考えている場合、パートやアルバイトの方が融通が効きやすいと言えるでしょう。
4点目は「仕事内容・賃金の違い」の違いです。パート・アルバイトの仕事は誰でもできる簡単な仕事が多いですが、派遣社員の場合は一定のスキルが求められる傾向にあります。
そのため、派遣社員の方が、賃金において高給になることが多いです。
またパートやアルバイトは働き手が欲しい企業が広告費をかけて募集しますが、派遣社員は派遣会社に依頼し、その派遣会社から社員が派遣される形になります。
5つ目は「福利厚生」の違いです。派遣社員の場合は、労働契約を交わしている企業の福利厚生を使うことができ、パートやアルバイトと比較して福利厚生が優遇されている場合が多いです。
また派遣会社で働いていると年末調整を行ってくれる企業が大半ですが、アルバイトやパートの場合は年末調整をしてくれない場合もあるので注意しましょう。
派遣とパート・アルバイトの5つの違いについて解説しましたが、実際に働き始めた時にどのような点にメリットやデメリットを感じるのでしょうか。
次に派遣とパート・アルバイトで働く際のそれぞれのメリットやデメリットについて解説していきます。
派遣社員で働く時のメリットとして「時給が高い」「福利厚生が充実している」「スキルや経験が身に付きやすい」などがあります。
▼派遣社員のメリット
一方で下記のようなデメリットもあります。
▼派遣社員のデメリット
次にパート・アルバイトで働く時のメリットは下記の通りです。
▼パート・アルバイトのメリット
一方で下記のようなデメリットもあります。
▼パート・アルバイトのデメリット
派遣とパート・アルバイトのメリット・デメリットについて解説しましたが、主婦として活動していて、夫の扶養に入っている方もいるでしょう。
次に扶養に入っている方が派遣とパート・アルバイトをする時の注意点について解説していきます。
給与が年103万円を超えると、所得税がかかってしまう点は注意しましょう。
加えて配偶者控除として夫は38万円の控除を受けられなくなります。しかしこれは2017年までの話で、現在は年収150万円以内且つ夫の給料が年収1,120万円以下であれば、問題なく38万円控除することが可能です。
扶養内であれば社会保険の支払いがありませんが、年収が106万円を超えると社会保険料が発生するので注意しましょう。年収106万円とざっくり解説しましたが、具体的な条件は下記の通りです。
派遣とパート・アルバイトの働き方の違いについて解説してきましたが「結局自分はどの働き方が向いているの?」と感じている方もいますよね。
次に派遣・パート・アルバイトの中で、目的別の向いている働き方について解説していきます。
扶養など関係なしに「とにかく稼ぎたい」「バリバリ働きたい」と感じている方は、派遣社員で働くのがおすすめです。
パートやアルバイトは時間に融通が効き、未経験OKの仕事が多いことがメリットですが、その分給与が低く、派遣社員よりも稼ぎにくい傾向にあります。
また派遣社員は同じ勤務先が3年と有期契約ですが、自身の実力が認められると正社員として直接雇用される場合もあります。
扶養の範囲内で働きたい方はパート・アルバイトがおすすめです。
「パート・バイトをする時の注意点」で解説したように、一定の収入を超えると扶養が外れてしまいます。また派遣社員だと決まった日数・決まった時間で労働契約するので、パートやアルバイトのようにシフトを都度調整するのが困難にもなります。
子育てをしていて「急なシフト調整や休みに対応できるようにしたい」と考えている場合、派遣社員ではなくパート・アルバイトがおすすめです。
1つ前で解説したように、派遣社員だと正社員のように残業が多くなることは少ないものの、しかし働く時間を調整するのがパートやアルバイトよりも難しくなります。
最後に派遣とパート・アルバイトの働き方に関する「よくある質問」について回答します。
それぞれの目的によって働き方の選択が分かれるので、一概にどちらがおすすめとは言えません。
労働形態の側面で答えると、パートやアルバイトは直接雇用、派遣社員は派遣元の会社から出社しているので間接雇用になります。労働契約を交わしている会社が異なるので、そもそも「どちらが上なのか」を比べる対象にはなりません。
派遣とパート・アルバイトの違いに関する記事は以上です。
人それぞれ状況が異なるので「どの働き方が最適なのか」という点は人によって異なります。そのため、どの働き方が一番良い!とは一概に言えません。
この記事を読んで、あなたに最適な働き方を選択できると幸いです。