こんな悩みに答えます。
外国人労働者を雇うにあたって「特定技能」という言葉を聞いたことがあるものの、具体的な内容について分かっていない方は多いのではないでしょうか?
この記事を読むことで、特定技能の意味を理解し、外国人を雇用するまでの流れをイメージすることができますよ。
特定技能とは、外国人の在留資格のことです。昨今の人材不足に伴い、一定の専門知識を持った外国人を受け入れる制度が2019年の4月1日からスタートしました。
まずは在留資格「特定技能」が設けられた経緯や、技能実習との違い・具体的な職種について解説していきます。
特定技能が設けられた経緯としては、アベノミクスによって有効求人倍率が大きく上がったことが挙げられます。
経済成長と同時に人手不足も深刻化し、それと共に日本の外国人労働者数も2017年10月時点で過去最高の値を更新しました。
「特定技能」と同じような言葉で「技能実習」という言葉がありますが、それぞれどのような違いがあるのでしょうか?
特定技能と技能実習の違いは一言で言えば「目的」です。特定技能は先に述べた通り、人材不足を解消するという目的で資格の制度が進められました。
特定技能と技能実習の違いについて、詳しくは下記の記事で解説しておりますので、興味がある方はご覧ください。
特定技能の分野・職種は14種類あり、それは下記の通りです。
▼特定技能の分野・職種
後に解説する特定技能1号は上記14業種の受け入れを可能としており、「建設」「造船・舶用工業」の受け入れのみ、特定技能2号の受け入れを可能としています。
先ほど軽く触れたように、特定技能の在留資格には「1号」と「2号」が存在します。次に特定技能1号・2号の定義や特徴を解説していきます。
特定技能1号とは「特定産業分野に属する相当程度の知識又は経験を必要とする技能」が必要な業務に従事する外国人向けの在留資格です。
▼特定技能1号の特徴
在留期間 | 5年間 |
技能水準 | 試験もしくは技能実習2号修了 (技能検定3級相当) |
日本語能力水準 | 試験もしくは技能実習2号修了 (日本語能力試験N4相当) |
家族の帯同 | 不可 |
受け入れ可能業種 | 介護, ビルクリーニング, 素形材産業, 産業機械製造業, 電気・電子情報関連産業, 建設, 造船・舶用工業, 自動車整備, 航空, 宿泊, 農業, 漁業, 飲食料品製造業, 外食業 |
特定技能1号の特徴としては、在留期間の上限が5年であることです。1年・半年、または4ヶ月毎に更新する必要があります。
また在留期間が設定されていることから家族の帯同は不可となっています。受け入れ可能業種は14種類と非常に多く、様々な分野で活躍することが可能です。
特定技能2号とは「特定産業分野に属する熟練した技能」が必要な業務に従事する外国人向けの在留資格です。
▼特定技能2号の特徴
在留期間 | 無制限 |
技能水準 | 試験で確認 |
日本語能力水準 | 試験等での確認は不要 |
家族の帯同 | 可能 |
受け入れ可能業種 | 建設, 造船・舶用工業のみ |
特定技能2号の特徴としては、在留期間が無制限になることです。3年・1年または6ヶ月毎に更新する必要があります。
また在留期間が無制限になることで、家族(配偶者・子)を連れてくることも可能です。受け入れ業種は現在「建設, 造船・舶用工業」の2つのみとなります。
特定技能の基本的な情報を解説したので、次に特定技能のメリットとデメリットを解説していきます。まずは特定技能のメリットについて5つ解説していきます。
1つ目は「人材不足を解消できる」という点です。
冒頭の説明の通り、アベノミクスによって有効求人倍率が上昇し、企業の人材不足がバブル期以来の水準まで高まりました。特定技能の制度を設けることで、今後専門性を有した外国人労働者が幅広く受け入れられるようになるので、これは大きなメリットと言えるでしょう。
外国人アルバイトを雇って人材不足を補う経営者の方もいますが、外国人のアルバイトは1週間に28時間しか労働できないので、フルタイムで雇用できる点も大きなメリットです。
2つ目は「教育にコストがかからない」という点です。
専門性が低い人材を雇うと、教育にも一定のコストがかかってしまいますが、特定技能の資格を持った外国人は一定の専門性を有しているので、一から全て教育する必要がありません。
特定技能という資格を設けることで、一定以上の知識を持った人材を確保できるので、細かな指導のコストを削減することができますよ。
3つ目は「技能実習よりもスピード感ある雇用が可能」という点です。
技能実習の場合は実際に入国して働くまでに長い時間を取られてしまいますが、特定技能の場合は資格を取得した段階ですぐに入国できるようになるので、スピード感ある雇用ができます。
そのため「今すぐにでも人材を確保したい」と感じている企業にとってはメリットと言えるでしょう。
4つ目は「技能実習から延長し、雇用の維持が可能」という点です。
特定技能1号と2号の説明の時に軽く触れましたが、特定技能は技能実習2号修了していると試験が免除されます。
もし技能実習を終えて、実習生の技能や働き方に問題ないと判断されれば、技能実習から延長して特定技能として雇用を維持することが可能です。
企業側としては、同じ人材を雇用していた方が教育コストもかからなければ意思疎通もしやすいので、雇用の維持ができる点はメリットと言えるでしょう。
5つ目は「日本語の意思疎通が取りやすい」という点です。
外国人労働者を雇う場合、意思疎通が上手くいかない時があり、仕事のパフォーマンスがなかなか上がらない場合があります。
特定技能の資格を持った外国人は、日本語能力水準の試験に合格している方なので、意思疎通がとりやすい点は大きなメリットと言えるでしょう。
メリットについて述べたので、次に特定技能のデメリットを解説していきます。
1つ目は「雇用するまでの申請方法が少し複雑」という点です。
特定技能に関する制度や提出書類などは、法務省入国管理局の「新たな外国人材の受入れについて」のページに記載されておりますが、手続きが複雑で難しい点がデメリットと言えます。
しかし特定技能の登録支援機関に依頼することで、難しい作業をサポートしてもらうことが可能です。
2つ目は「特定技能2号は無期限だが、1号は5年しか働けない」という点です。期間が制限されている点はデメリットと言えるでしょう。
ただしメリットの部分で触れましたが、技能実習の方を雇っている場合、修了後に特定技能として延長することが可能です。その際、技能実習の期間はカウントせず、プラスで5年の在留期間がつきますので覚えておきましょう。
メリットとデメリットについて述べましたが、特定技能を雇用する企業様に聞いたメリット・デメリットについてもまとめておりますので、興味のある方は下記の記事もご参考くださいね。
特定技能のメリットやデメリットについて解説しました。特定技能は申請方法が煩雑ですが、登録支援機関に依頼することでサポートしてもらうことができます。
登録支援機関とは、特定技能1号の外国人が円滑に業務に励めるように、日常生活から仕事まで、幅広い範囲でサポートを行う機関のことです。
登録支援機関の具体的な支援の内容は下記の通り。
▼登録支援機関の支援内容
上記は国が定めた最低限サポートしなければならない内容ですが、支援機関によっては「対応が不十分」と感じることもあるでしょう。
登録支援機関は複数あり、詳細は「技能実習生・特定技能の監理団体・登録支援機関の選び方」にて解説しておりますが、選び方としては距離やサポート体制が重要です。
株式会社アーチでも登録支援を行っておりますので、次に株式会社アーチの支援内容について解説します。
特定技能の雇用による株式会社アーチの支援内容は、先ほど述べた国が定めたものにプラスして、下記のような支援を行っています。
▼アーチのプラス支援事例
・アジア食材等の買い物ツアーの送迎・同行
・日本文化体験イベントの同行
・外国人向け医療・生命保険の案内
・医療機関等で使用する言葉の日本語と翻訳文の提供
・市販薬等の母国語へ翻訳・情報の提供
・日本語教育(N1、N2、N3、N4)の学習支援
こんなに支援する必要があるのか?と感じる方も多いと思いますが、外国人労働者が増えていく一方で、人間関係や金銭的な問題から、失踪してしまう外国人労働者は非常に多いです。
そのため、株式会社アーチでは「思いやりのあるサポート」という部分に力を入れており、外国人労働者が身体的・精神的・社会的に良好な状態で働けるようにサポートしています。
上記に当てはまる企業様は、是非お気軽にご連絡ください。
最後に特定技能に関する「よくある質問」を回答していきます。
特定技能の申請や細かい書類に関する情報は「出入国在留管理庁のHP」にて記載されています。
登録支援機関の切り替え・変更は可能です。
特に登録支援機関が県外の場合、満足のいくサポートにならない場合があります。外国人労働者の失踪が増えている昨今、登録支援機関の選択は非常に重要です。
特定技能の外国人を採用した場合、内定から入社までの流れは下記のようになります。
▼内定から入社までの流れ
細かな流れは下記の「特定技能の外国人の内定から入社までの流れ」にて解説しています。
また内定を取る前に、特定技能の面接について詳しく知りたい方は下記の記事もご参考ください。
外国人の在留資格、特定技能に関する記事は以上です。
特定技能は2019年の4月1日からスタートした資格制度で、まだ認知度が上がっていないものの多くのメリットがあります。
・特定技能の人材を雇用している企業様
・これから特定技能の受け入れをご検討中の企業様
上記に当てはまる企業様は、是非お気軽にご連絡くださいませ。